TVを見なくなって随分経つが、最近はネットでよく色んな国の議会演説などを見ている。他の国の人たちがどんな事をどんな風に話し合っているのかなんて事を、ほぼリアルタイムで見れるなんてすごい時代になったものだ。
欧米では去年あの『OK Boomer』で話題になったニュージーランドのスウォーブリック議員とか、N.Yの元タコス屋のバーテンダーのコルテス議員とか、フィンランドではサンナ・マリン氏が世界最年少の女性首相となったりと、20代、30代の女性議員の活躍も目覚ましい。
なので当然、今これからの地球及び、若い世代にとって大きな影響をもたらす気候変動についてはもちろん、ジェンダーや人種、様々な格差やマイノリティイシューについてなどもさかんに議論されている。
そして一方、ニッポンではというと。
議員がほぼほぼBoomers。
国会がコントになっている。
質疑応答で質疑に応答していない。
しかも議題が税金使ってのパーリーとか不倫とか。
国会がワイドショーよりエンターテイメントで、あれ?チャンネル間違えた?みたいなことになっている。本気で全く笑えないのだが、笑うしかない状況になっており、国会の様子を見ていると、もはや「日本は遅れている」レベルではなく、「日本は沈んでいく」としか思えない。
どの国だって抜き差しならない問題を抱えているし、完璧な社会や政治なんていうものは、この地球上ではまだ発明されていない。しかし、だからこそ様々な知識や考え、そしてバックグラウンドを持つ人が議員となり、色々な視点から問題について議論をしているのだ。
しかし少なくとも最近のニポンの国会を見ていると、「議論」している様子がない。この現象は一体何なんだろうか。世界の中で全方位全分野において、ニポンだけ思いっきり「逆走」しているような気がするのは、おそらく気のせいだけではない気がする。
わたしなりにその逆走っぷりの原因を考えてみたところ、やはり「考える」という教育が圧倒的に足りていないことが大きな原因の1つだと思う。加えて、日本人はディベートが苦手だとよく言うけれど、それは当然のことで、やはり議論することをテクニカルに学んでいないから。そしてさらに、「お上信仰」即ち、権威者の言うことに従うことが正義だという考えが思考停止に拍車をかけている。その事をわかりやすく体現しているのが現在の国会だと思う。
だから個人レベルであっても、多くの日本人は「自分の頭で考えて自分の意見を持ち、その上で他者と意見を交換し、話し合う」という本来生きていく上で、1個の人間として必要不可欠なはずのコミュニケーションスキルがガッポリ備わっていない、ということになる。もしそうでなければ、議論がない国会など、汁をすくえないおたまのように、とうの昔に淘汰されているはずだ。
ただ、これは当然一夜にしてそうなったわけではない。長い年月をかけてだんだんと作られていった結果なのだろう。そして、それでよかった。特に「議論」がなくても、「なんとなく」の合意があり、成立し、うまく回っていたのだ。少なくとも今までは。
しかし、これからはどうだろう。
これだけグローバル化が進み、SNSやインターネットの普及で個人間でも瞬時に世界とコネクトできる環境で、さらに気候変動や資源の問題など地球規模で解決していかなければならない問題が山積みとなっている今、自分の頭で考えて意見を持ち、自分とはバックグラウンドも意見も考え方も違う人々と話し合うためのスキルを持っていなくて、果たして通用するのだろうか。
あまりにも愕然としてしまったため、今回のポストはトロピカルヴァイブスに極寒の風を吹かせてしまったが、このように時々寒さや冷たさを感じることで新陳代謝が活性化し、心身の健康を促す効果があることは言うまでもない。
『ニューノーマル』(新しい常識)という言葉が生まれるようなこの大変化の時代だからこそ、今この自分たちが生きている時代に起きていることをしっかりと見据えて、それぞれが〝自分の頭と心を使って〟考えていくことが今まで以上に求められている。
そして、この時代の最大のおもしろさはやはり、『ニューノーマル』を誰でも自ら作り出すことができるという点だと思う。何と言っても「正解」がないのだから。
イエス。フリーダム!
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