生きるとは呼吸すること



テクノロジー、経済、音楽や芸術など、あらゆる分野で進化の過程において近年よく言われているのは、現代の時間の流れというのは「14世紀頃における100年が、現代の1ヶ月に相当する」ということらしい。

14世紀から15世紀頃といえばヨーロッパではルネッサンス時代。あのレオナルド・ダ・ヴィンチが生きてた頃で、日本では戦国時代に突入する前頃。足利さんが金閣寺を建てた頃くらいだろうか。ちなみに、もののけ姫の時代背景も室町時代とかその辺りだと、どこかの何かで読んだ気がする。

デイダラボッチやシシガミ様、モナ・リザなんかも生きていたあの時代から、かれこれ500年ほど経ってるとはいえ、言ってもたかだか500年。確かにその間段階的に、随分と我々の生活様式は変化したけれど、人間の身体や本質なんて500年どころか、数千年、なんなら数万年も前からほとんど変わっていないというのに。

だのに。100年が1ヶ月のスピードって。かつては100年かかって変化していたことが、現代ではたった1ヶ月で変わっちゃうってことですよ。現代の時間の流れのなんたる速さよ。そりゃあ、地球上のいろんな所でいろんな不具合が起きてもおかしくないよねと思う。

SNSのタイムラインが象徴するように世界中で同時多発的に常に情報は更新され続け、どんなにビッグニュースに思えても数日経てばもう遠い過去。誰も予測できなかった激動の変化はもうすでに未知の領域に突入しているようだ。

わたしは僻地に暮らすワイルドなひきこもりで、SNSなどもほとんど使っていない。要は時代や社会の流れからは、ちょっと外れたところに生息しているわけだが、そんなわたしですら時々、まるでベルトコンベアーに乗せられたひよこのような気分になる。

そんな時は、海や森で過ごしたり、お茶を飲んだり、散歩をしたり、昼寝をしたり、風呂に入ったり、大体そうやって落ち着きを取り戻す。それこそきっと、14世紀頃の人々と大して変わりはないように思う。そしてさらに、ものすごく普遍的かつ簡単で即効性がある方法がある。それは「呼吸を止めること」。

念のため言っておくと、もちろん永遠にではない。永遠に止めればそれはそれで、おそらく永遠の安息を得ることができるかもしれないが、それはやがて全ての人に然るべき時が必ずやって来るので、そこは自然の成り行きに任せてみよう。そうではなく、呼吸法の話ね。

まずは、大きく息を吸って、10秒とか20秒とか、何とか止められる範囲内で息を止めてみる。そして限界までホールドして、もうダメだというところで思い切り、そしてゆっくりと息を吐く。言わば、とっても大げさな深呼吸。これを3、4回くらい繰り返すと、あら不思議。何だか気分がCalm&Mellow。

ポイントは「止める(hold)」ということ。これはリラックスする時のシンプルなメカニズムで、呼吸を止めると心拍数が下がり、心拍数が下がるとリラックススイッチの副交感神経がONになるから。瞑想の効果も基本的には同じこと。とても簡単で即効性があるから、気分を落ちつかせたい時などはぜひ試してみてほしい。

デイダラボッチから瞑想にたどり着いてしまったが、とにかくどんな時代であっても生きてる限り、息を吸ったり吐いたり、時々止めてみたりしながら、呼吸をしっかりしていこう!という話。

生きることは呼吸すること。呼吸を制するものは人生を制する。

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