このままで、大丈夫?



リーディングやコンサルティングをしている時、大まかに2つの流れがある。それは、「大丈夫」か「大丈夫じゃないか」。

リーディングではまず、その人の今のエネルギー状態を見る。整体やマッサージと同じで、痛みや不調などの症状が出ているところを確認しつつ、歪みや滞りなど全体のバランスを見ていく感じ。

一通り全体を見ると、「大丈夫」か「大丈夫じゃない」かのどちらの流れにいるのかが大体わかる。

大丈夫の流れにいる人は、オーラの色もクリアで鮮やかに見えるし、なんと言うか、エネルギーが太くてどしんとしている。しっかりとグラウンディングができている感じがある。
一方で、大丈夫じゃない流れにいる人は、様々なパターンがあるが、概ねオーラの色が弱く不明瞭で、たまに所々色が抜けていたりもする。

まず、その大きな流れを見た上で、どう伝えるか、どうアプローチするかは個々によってもちろん違う。しかし興味深いことに、その反応もまた、大抵の場合は大きく2つに分かれる。

大丈夫の流れにいる人は、心を開いて耳を傾ける姿勢で、できる限りこちらの話を一字一句真剣に聴こうとする傾向がある。でも、大丈夫じゃない流れにいる人ほど、人の話を聴いていない笑。もっと正確に言うと、「自分が聞きたいことだけを聞いている」感じになる。

セッションで伝えたことが100%だとすると、大丈夫の流れにいる人はそのまま100%受け取ることができるし、なんならそこからさらに種を育てるように、メッセージを元にグングン成長していける。
翻って、大丈夫じゃない流れにいる人は、所々取りこぼしているので、受け取っているものが40%だったり60%だったりと、勿体無いことになってしまう。

これは、ウチナーグチで言うところの「だからねー」であり、卵が先か鶏が先か問題とも言える。でも結局のところ、起きていることの本質はこのように意外とシンプルだったりもする。

昨今、「自己肯定感」という言葉を至るところで見かけるが、そこには「批判や否定はされたくない」という思いがデフォルトであるらしい。
これはそもそも人間のナチュラルで、通常人は誰しも、批判や否定されることよりも、承認して肯定されることの方が嬉しいものだろう。

かつて、レーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホという貴族出身の作家がいたが、やはり彼とて自身の人間存在としての全否定のさらに先にある「全肯定感」、すなわち究極の一体感を喜びとしていたのではないか。

話が逸れたが、やっぱり人というのはどんな人でも、「そんなんじゃダメだ」と言われるよりも、「それでいいよ。大丈夫だよ」と言われたい生き物なのだろう。

ただ、そこで問題があるとすれば、前出の通り「大丈夫だよ」という言葉を聴きたい人ほど「大丈夫じゃない」ということだろう。

大丈夫な人とはつまり、基本的に「自己肯定感」に問題がなく、しっかりと自分軸が立っている人。そんな人だって、時に悩み、迷い、混乱するのは至ってナチュラルで、だからこそ人には自分以外の他者が必要だし、持ちつ持たれつ助け合うことができる。

しかし、大丈夫じゃない人は、そもそも「自己肯定感」が低い。根っこのところで自分を受け入れていないので、その受け入れなさがそのまま言動に現れる。他者に対しても、自分に対しても。このように「欠乏」を前提としたコミュニケーションは、どこまで行っても「欠乏」にかえってくる。

大丈夫な人はやっぱり大丈夫だし、大丈夫じゃない人はやっぱり大丈夫じゃない。身も蓋もないけど、そういうことなのだ。

では、自己肯定感を高め、大丈夫の流れに乗るにはどうしたらいいかというと、それはやっぱり「大丈夫じゃない」に気づくこと。「このままじゃダメだ」と本気で気づくこと以外にはない。

そこには当然、痛みがある。苦痛がある。衝撃がある。
運命の人に出会った時のように体に稲妻が走る。
でもそれも最初の一撃が一番すごくて、それ以降はそれほどでもない。よくも悪くも、人というのは慣れる生き物だから。

この一発目、一撃を体験できるか否か。
どちらの流れに乗るかは、ほとんどそれで決まる。

卵か鶏か。あるいはマトリョーシカか。みたいな話になるけれど、「運命の稲妻」体験をしたことのある人は、やっぱり大丈夫の流れにいるし、なんなら『そんな体験を求めていない』。

自己肯定感って大切だね、という話。
だからとりあえず。
まずは「このままで、大丈夫?」と自分に聞くことから始めてみましょうね〜。

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